被害者の中には障害のある仲間がたくさんいます。その障害のある仲間を訪問して、楽しく時を過ごそうというのが「ふれあい活動」です。障害被害者の親の多くが他界しているため、私たちが訪問すると喜んでもらえます。同じ被害者として心が通いあった感じがします。
ふれあい活動とは
ふれあい訪問をして 広島県本部 秋山 泰子
竹森さんの相変わらず笑顔で元気そうな姿に安堵しました。そして、、お部屋が替わったとのことで案内していただきました。テーブルの上に制作途中のちぎり絵がありました。下絵を指差し、「私の命を吹き込む」と強い信念で言われた言葉が印象的でした。完成は6月頃とのことですが、根気と集中力のいるちぎり絵は改めてすごいなあ~と思いました。
写真のバックのちぎり絵も彼女の作品です。また、竹森さんは、ちぎり絵だけでなく詩も作られます。今年はどんな作品を作られているのか、ワクワク、ドキドキしながら楽しみの訪問です。
昨年は、親を思う気持ちの詩に共感し、その場で涙をこらえるのに必死でした。やさしく感受性豊かで素直さが作品に表れています。
「ときわ祭」では、小学生の演奏を聴かせてもらったり、手作り作品の買い物を楽しんで選ぶ姿がありました。昼食は、談話しながら女子会をして楽しく過ごしました。
竹森さんを訪問して、感動と心から「ありがとう」です。自分らしさを発揮され、「今」を豊かに生きている姿に、ある意味うらやましく思いました。ゆっくり頑張っていきましょう。これからも仲間としてのつながりを深め、ラポールを気づいていきたいと思います。またね!
萩原さんを訪ねて 広島県本部 花田 美恵子
2018年7月2日、守る会会員3名とひかり協会の職員さんの計4名で、野呂山学園に入所した萩原加代子さんを訪ねました。(野呂山学園とは、自然に囲まれた知的障害者の入所更生施設です)
私は27年前に守る会に入り、萩原さんのお父さんにずいぶんお世話になりました。お父さんから娘さん(加代子さん)を紹介され、「守る会はあんたらの時代になるんじゃけん、これからは頼むよ」とよく言われていました。加代子さんとは何度か交流会で何度かご一緒しましたが、その後は疎遠になっていました。
今回十何年ぶりかの再開で私は緊張しましたが、萩原さんは覚えていてくれました。忘れられていないということが、こんなに嬉しいことだと初めてしりました。職員さんからは、「恥ずかしがり屋さんだからしゃべってくれんかもしれん」と言われていましたが、職員の上手な話しかけでよく話してくださいました。
穏やかな表情で話をされ、学園の生活にも慣れ、午前ちゅはみんなと過ごし、午後からはそれぞれのペースで過ごしているそうです。部屋に案内してもらった時に、ちょうど七夕の短冊が飾ってありました。短冊には「お母さんが元気で過ごせますよう」と書いてあり、萩原さんのお母さんを思う気持ちがよく伝わってきました。
萩原さんの趣味はカラオケで、園から出かける買い物や、月に一度の外泊が楽しみだそうです。1時間半ほどでしたが、私たちも楽しい時間を過ごすことができました。「また会おうね」と再会を約束して退所しました。
帰り道で私たちができることがないか話し合いました。萩原さんが少しでも多くの仲間とふれあえる機会を増やす。例えば、月に一度の後見役の社会福祉士の送迎で実家に帰られるそうなので、それに合わせてカラオケの行事を持つとか・・・。ふれあえる時間を増やして心の交流ができたらと思います。
今回は萩原さんに「思っているよ。一人じゃないよ」の気持ちを伝えたかったのですが、私のほうが元気をいただきました。感謝です。萩原さん、ありがとう!
友を訪ねて 香川県本部 畑 満
去る3月12日、高松での協力員会議終了後、今泉さんと齋藤さんと3人で丸亀市にあるふじみ園だいちに向かいました。現地で、佐柳さんと合流し、広い敷地内で迷っていたら、そんな中Yさんが、自分の居住棟から出てきてくれ、Sさんのいるところまで案内してくれました。
Yさんは、県の総会や交流会、支部会などでいつも会っている仲間。外出も園で認められ自由のようです。Sさんは、お父さんがお元気な頃は、いつも2人で参加していただいていたのですが、お父さんがお亡くなりになった今は、そうもいかないようです。Sさんのお父さんには、自主的グループ活動「親の話を聞こう」でも長くお世話になり、貴重なお話を聞かせていただきました。
YさんもSさんも若い頃は宴会で大活躍。Yさんは着物を持ち込んでの日本舞踊、Sさんは藤山寛美さんやアチャコの物まねで、宴席をわかせてくれました。あの頃の2人の姿、また見たいものです。
Sさんは、園内で6時起床、体操、10時から作業をし、Yさんは園外で月曜から金曜まで半日程度「箱折り」の仕事をしているそうです。
2人とも元気で頑張っている姿が見れ、とてもうれしく、またの機会に会えることを楽しみにしております。
ふれあい活動 “ミルク仲間を訪ねて“ 山陰本部 足立ゆかり
台風18号が接近する前日の10日1日(土) 島根県の中間に位置する大田市の福祉施設”亀の子“に協力員の西村君と二人で訪問しました。
当日は施設の祭り”亀の子祭り“で、天候にも恵まれて大勢の方々が来所されており、まるで「ウォーリーを探せ」の状態でした。
目当ての野井君は、祭りのスタッフとして参加されており、西村君とは幼馴染みの間柄でした。西村君が「こんにちは」と挨拶をすると笑顔で返してくれました。
先日西村君が病院でバッタリ野井君と出会い、グループホームへ送ってあげた話で盛り上がり、色々と会話が尽きませんでした。野井君は普段はシャイで積極的にしゃべられる方ではないのですが、今回は饒舌であったのには驚きでした。
グループホームへ入所されてからは、作業所迄の2キロの道のりを休憩をとりながら、30分掛けて歩いていると話され、日頃の地道な努力が健康に結びつくと感心しました。
体調不良で本日お休みの林さんに会えなかったのは残念でしたが、来年の再会を楽しみにしています。
日頃の心ある職員の対応の継続が野井君を多弁にさせ、笑顔にしてくれたと改めて感じた貴重な時間でした。私自身”ふれあい活動“に自問自答した事もありましたが、こうして会える事に感謝の気持ちで一杯です。
今後も一歩ずつ仲間から近くに感じてもらえるように会続けて行きたいと思っています。
10年ぶりのNさん訪問 兵庫県本部 木村 秀子
8月の酷暑の中、秋野さん、西畠さんとともに、尼崎のあぜくら作業所で活動しているNさんを訪ねました。
10年くらい前はよく交流会にも参加されていたのですが、ここしばらく交流がなく、ひさしぶりの再会。それでもすぐに思い出して、仲間や職員の方々と一緒にとても歓迎してくださいました。Nさんは10年前と同じくちょっとシャイで、おしゃべりが始まると止まらなくて、笑顔がとてもかわいい、60歳になっているとは思えないパワーがみなぎっています。今は陶芸はんのリーダーで、箸置きの「アヒル」を作っているとか。一つ一つのサイズも表情も違っているのがかわいくて、早速購入しました。
廊下に、作業所の活動に協力している企業や団体を紹介する壁紙が貼ってありましたが、その中に「ひかり協会」も入っていました。仲間としてありがたいことだと思いました。
以前はお母さんと二人で暮らしていましたが、お母さんが亡くなられ、その後近くにお住まいのお姉さんやヘルパーさんの応援を受けながら一人生活をされています。作業所にも市バスで週3日通っています。今の最大の愉しみは「氷川きよし」。部屋の中は彼のポスターで埋め尽くされているそう。コンサートにも出かけ、彼がコマーシャルしている神戸のレストランにもわざわざ行ってきたとか。
本当に頑張っているなと、こちらが励まされました。秋の交流会には久々に来てくれそうなので楽しみにしています。
ときわ学園の仲間を訪問して 岡山県本部 森 脇 良 明
4月9日(土)真田・森脇の2名は、笠岡市内の「ときわ学園」で催されたお花見会に、瀬尾美枝子さんを訪問しました。さくらは少し散り始めでしたが天気もよく花見日和でした。会場に到着すると、すでに瀬尾さんのお兄さんご夫妻は来られていて、バンド演奏が始まっていました。お兄さんから聞いた話では、「美枝ちゃんのお友達は今日来るん?」と聞き、心待ちにしてくれていたそうで、目が合うと席を立って出迎えてくださいました。
美枝子さんに案内され、お友達が2人(ちずるさんと睦子さん)いる席に通されました。昼食のお弁当を食べている時「昼食タイムです。おいしいですか?」と言って写真を撮っていると、美枝子さんが、うんうんとうなずき、「写真を撮りょん、ええように写っとる?、送ってくれるん?」と言う。するとお姉さんから「目を開けにゃあいけんで!」と声がかかる。そして皆で笑うなど楽しいひと時を過ごしました。
美枝子さんは歯は数本しか残っていませんが、これと言って病気もなく安心しています。カラオケが大好きで当日も睦子さんや、真田さんと一緒にステージ横で、バンド演奏に合わせ、からだを動かしながら「上を向いて歩こう」を歌いました。
年に2回程度しか訪問しない私たちを待ってくれている、また帰り際には涙をこぼし別れを惜しむ美枝子さんにありがたさを感じながらお別れしました。お世話いただいた瀬尾さんご夫妻および職員のみなさんありがとうございました。
ふれあい活動に参加して(鹿児島県本部 加藤信子)
10月17日、爽やかな秋晴れの日、協力員の前園さんとともに、宮之城ふくし園に自宅から通所されているGさんOさんを訪問しました。
この日は「さつま運動会」が賑やかに開催されて、相談員の国料先生もGさんのお母様と一緒に午前中から応援に来られて、点との中で待っていらしたそうです。
GさんとOさんは、私たちのいるテントが離れていたので、間近で言葉をかわすことはできませんでしたが、笑顔で競技に参加されていました。
閉会式が終わり、お二人に「お元気でしたか」と声をかけると、Gさんが「友達やっがな」と気さくに言われました。その一言で私もココロが和み、訪問してよかったなと心から思いました。
お二人とは6年ほどお会いしていなかったので心配でしたが、顔色も良くお元気だったので安堵しました。
Gさんのお母様も高齢とは思えない、とてもお元気で家庭菜園やグランドゴルフに汗を流しておられるそうです。私たちの訪問を喜んでくださいました。
Oさんはお母様が施設に入所されているため、ヘルパーさんの手助けを借りながらお一人で生活して、毎日通所でがんばっていらっしゃるそうです。
「来年もまた会いに来ますね」と声を掛けて、お互いに握手をして帰路につきました。
広島県でのふれあい活動の取組 石丸奈知子
4月26日、ふれあい活動で、呉市のN園に入所しているKさんにお会いしに、土居脇さん、立畠さん、栗原さんと私の4人で行ってきました。Kさんは、一泊交流会や健康祭りに積極的に参加されていて、私たちとも初対面ではなかったので、楽しい話題でいっぱいでした。
この日は、毎月恒例の誕生日会当日で、昼食は握り寿司と瀬戸内名物のいわしの天ぷらの盛り合わせの豪華メニューでした。
「いわしの天ぷら美味しいよ、食べんさい!」と私たちに気を使ってくださり、皆で美味しくいただきました。Kさんの好物は辛口の日本酒と旨い肴だそうです。タバコもやめられんそうです。
施設では、いろいろな催しがあり、月2回のショッピングや花見などきせつの行事やマツダスタジアムで野球観戦を楽しむなどがあります。Kさんは5月17日のカープVSヤクルト戦でカープの応援しに行くと今から楽しみにされています。
「先日僕に電話があり、『元気か~、どうしよる~』 誰かと思ったら池田光くんからで、びっくりしたけど、たいへん嬉しかったです。」と満面のえみで話をしてくれました。
展示の勉強をされていたので、御話を伺うと、教科書本を開いて「アイウエオが基本でパソコンのローマ字入力をするのと同じよ」とわかりやすく説明してもらいましたが、私には難しくギブアップでした。
Kさんは毎月実家に帰ることを愉しみにしておられましたが、90歳を超えられたお母様の体調が芳しくなく、2月からは帰っていないとお話しされました。お母さんは元気な息子の顔をみたいだろうな、息子はお母さんの作ってくれるご飯を一緒に食べたいだろうな・・子を思う親心、親を思うこの心、密な時間が持てたらいいなと思いました。
2階の角部屋のKさんの部屋の窓からは、新緑の綺麗な山が近く、ホーホケキョと鶯のさえずりが聞こえてきます。さわやかな風が吹き抜けており、自然の豊かさを感じました。
施設の周りにはぐるりとベランダがあり、1周することができます。Kさんの案内で、そのベランダから美しい瀬戸の海と海上に架かる安芸灘大橋をまのあたりにすることができました。最近では人影がぼんやりわかる程度の視力と話されるKさんにもこの素晴らしい景観が見られたらいいのにと思いました。
車椅子では、手だけでなく足で地面を蹴って移動されていますが、足にむくみが出ていたいそうです。車椅子の乗っていると腰も痛いと言われ、二次障害が心配です。
訪問して、楽しい時間を過ごすことができました。まだまだ話のつきないKさんと私たちでしたが、次は秋野一泊交流会でまたお会いしましょうと約束をして、皆で握手をして帰りました。
Nさんを訪ねて 京都府本部 竹森純子
2014年11月11日(火)かねてより念願のNさんをふれあい活動で訪問しました。京都から参加の岩田さん、立石さん、竹森と福井在住の中野さんの4名です。福井駅で合流し、約束の13時半に「若越ひかりの村」へ。
ロビーで待っていると、Nさんが少し照れたような様子で施設職員の西山さんと現れ、まっ先に中野さんの手を取って長い廊下をとても嬉しそうに、ニコニコと案内してくれました。
談話室で担当の職員さんと一緒にNさんへの「呼びかけ」を竹森がさせていただいたあと、日常活動をされている8寮の食堂やホールを案内してもらいました。ホールの窓にはNさんが描いた絵が数枚貼られていたので、サザエさん大好きなNさんへのプレゼント「サザエさんカチューシャ」をつけたNさんと皆で記念写真を撮りました。
最後にお部屋も訪問。大きなテラスに通じるベッドやタンスが置かれ、きれいに整理されていました。さきに私たちが出したサザエさん絵葉書も大切にしまってくれていました。また、お手紙出しますね。
私たちが訪問した火曜日の午後はNさんの好きな音楽の時間だったそうです。楽しみの時間に来てしまいましたが、「大丈夫だよ」と笑顔で言ってくれました。毎週末には妹さん御家族に電話をされているようで、妹さんや姪御さんの子供たちの話もしてくれました。お正月は御家族の皆さんと過ごされる予定とのことでした。
帰りには玄関の外まで出て見送ってくれ、次の交流会を楽しみに「また会いましょう」とバイバイしました。
追悼 2015年1月12日
Nさん、「ひかりの村」へお邪魔したときはニコニコと陽気に迎えてくださり、交流会で出会ういつものNさんに会えてとても嬉しかったです。あれから2ヶ月で悲しい知らせが届きびっくりしています。ふれあい活動で訪問のあと、すぐに「また来てね!」と手紙をくださったのに、こちらから返事も書けずにいました。・・本当にごめんなさい。訪問の記事もサザエさんのカチューシャ姿の写真も守る会機関紙「ひかり」に掲載してもらう予定だったのに・・残念です。 (※写真は「ひかり」2月号に掲載されています)
いつも陽気にサザエさんの歌を歌って踊っていたNさんのこと忘れません。名前のとおり、いつもみんなに輝く笑顔を振りまいてくれたNさん、ありがとうございました。Nさんのいない交流会は淋しいですが、あなたの笑顔を思い出し、みんなでサザエさんの歌を歌って頑張ります。仲間たちみんなを見守っていてくださいね。どうかやすらかにお眠りください。
最後にお父様亡き後、親身にNさんのことを気遣っていらした妹さん御家族に、謹んでお悔やみ申し上げます。
「14年目の訪問」40周年記念シンポジウムの記録画像を配信中
(「事件と被害者救済」の一番下のページを開いてください。)
ひかり協会ホームページもご覧ください
● 60周年記念冊子(還暦記念誌)500円で頒布中。お申し込みは、06-6371-5304(守る会 平松)まで。どなたにでもお分けします。
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